医師の資産形成・投資

勤務医の資産形成|65歳現役医師が考える投資と退職後の豊かな人生

「医師は高収入だから、老後のお金に困ることはない」

一般の方からは、そう思われているかもしれません。

しかし、実際にはどうでしょうか。

勤務医は比較的高い収入を得られる職業ですが、その一方で所得税や社会保険料の負担も大きく、住宅ローンや教育費などで思ったほど資産が増えていない医師も少なくないのではないでしょうか。

私は現在65歳。35年以上外科医として勤務し、現在は地域医療を担う病院に勤務しています。

そして67歳を一つの節目として、これからの人生をどのように過ごすか考えています。

株式投資、不動産投資、米国債、NISAなど、これまでさまざまな資産形成に取り組んできました。

今回は、65歳の現役勤務医として、私自身の経験を踏まえながら、医師がお金に振り回されず、豊かな人生を送るための資産形成についてお話ししたいと思います。

1.勤務医は高収入でも資産家とは限らない

勤務医の大きな強みは、比較的安定した給与収入が得られることです。

専門医資格や経験を積み、管理職になれば、さらに高い収入を得ることも可能です。

しかし、注意したいのは、高収入であることと、資産が多いことは別問題だということです。

年収が高くなるほど生活水準も上がりやすく、高級車、住宅、旅行、外食などに多くのお金を使えば、手元に残るお金は意外に少なくなります。

さらに医師の収入には大きな特徴があります。

それは、自分自身が働くことによって得られる収入が中心であるということです。

当直や外来、手術などをこなしている間は高収入でも、病気になったり退職したりすれば、給与収入は激減します。

つまり、勤務医にとって重要なのは、現役時代の年収だけではありません。

自分が働かなくなっても生活を支えてくれる資産を、いかに形成するか。

私はこれが、勤務医の資産形成の基本だと考えています。

2.資産形成は50代からでも遅くない

私は、資産形成を始めるのに遅すぎるということはないと考えています。

もちろん、30代から投資を始めれば複利効果を長期間活用できるため、有利です。

しかし、50代の勤務医には、若い世代にはない強みがあります。

それは、収入が高い時期にあり、教育費や住宅ローンなどの負担が軽くなっている場合も多いことです。

仮に毎月30万円を投資に回せば、年間360万円です。

10年間では、運用益を考慮しなくても3,600万円になります。

さらに年率4%で運用できたと仮定すると、毎月末30万円を10年間積み立てた場合、約4,400万円になります。

ただし、年率4%はあくまで計算上の仮定であり、実際の投資収益を保証するものではありません。

投資には元本割れのリスクがあります。

それでも、勤務医が持つ高い貯蓄力は、資産形成において大きな武器になると思います。

3.私が実践する資産形成の5つの柱

私自身、資産を一つの金融商品に集中させるのではなく、複数の資産を組み合わせることを心がけています。

主な柱は次の5つです。

① 米国株式・ETFへの投資

私が資産形成の中心の一つとして考えているのが、米国株式です。

米国には世界的な競争力を持つ企業が数多く存在します。

特に、AI、半導体、量子コンピューター、宇宙関連などの分野は今後も注目しています。

ただし、個別株投資では企業業績によって株価が大きく変動します。

そこで、S&P500や米国株式市場全体に連動するETF・投資信託を活用する方法もあります。

例えば、VOOやVTIなどです。

個別株で大きな利益を目指す一方、分散されたインデックス投資を長期資産形成の土台にする。

この組み合わせは、私自身が重視している考え方です。

もちろん、米国株だけでは国や通貨が偏るため、日本株や債券などとのバランスも大切です。

② NISAを最大限活用する

勤務医にとって、NISAはぜひ活用したい制度です。

2026年10月現在、NISAには以下の投資枠があります。

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円
  • 合計:年間最大360万円
  • 非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)

通常、課税口座で上場株式などの売却益や配当を得ると、原則20.315%の税金がかかります。

一方、NISA口座では、制度の対象となる利益が非課税になります。

私もNISAを長期的な資産形成の重要な手段と考えています。

ただし、NISAは利益を保証する制度ではありません。損失が生じても、課税口座の利益との損益通算はできません。

税制上のメリットと投資そのもののリスクは、分けて考える必要があります。

③ 米国債で資産を守る

50代までは株式中心の資産形成でもよいかもしれません。

しかし、60代になると、考え方を少し変える必要があります。

特に退職が近づけば、株価の大幅下落が生活設計に影響する可能性があります。

そこで私が注目しているのが米国債です。

米国債は、米国政府が発行する債券です。個別の米国債を満期まで保有すれば、原則として定められた米ドル建ての元本償還と利払いを受けられます。

ただし、日本円で考えた場合には為替変動リスクがあります。

また、途中売却する場合には金利の変動などにより売却損が生じる可能性もあります。

私は今後、株式だけでなく、米国債などの比較的値動きの性質が異なる資産も組み合わせながら、資産全体の安定性を高めたいと考えています。

④ 不動産による家賃収入

私は不動産投資にも取り組んでいます。

不動産の魅力は、入居者が確保できれば継続的な家賃収入を期待できることです。

株式の配当金と同様に、給与以外の収入源を持つことは、退職後の生活を考えるうえで大きな意味があります。

ただし、不動産投資も決して簡単ではありません。

空室、修繕費、固定資産税、借入金利、建物の老朽化など、多くのリスクがあります。

また、不動産は株式のように簡単に現金化できません。

大切なのは、表面的な家賃収入ではなく、経費や借入返済を差し引いた実際のキャッシュフローを把握することです。

⑤ 金(ゴールド)への分散投資

私は金への投資も行っています。

金は株式や債券とは異なる特徴を持つ資産です。2025年には金価格は目を見張る増加がありました。

インフレや金融市場への不安が強まったときに注目されることもあります。

ただし、金は配当や利息を生みません。また、価格が大幅に下落することもあります。

したがって、金だけに資産を集中させるのではなく、株式や債券を補完する資産として位置づけています。

⑥ 仮想通貨(中でもビットコイン)への分散投資

私は仮想通貨、なかでもビットコインの投資も行っています。

ビットコインはデジタルゴールドとも呼称され、世界で2100万枚という限定価値を持つ資産ととらえています。

2028年1月より申告分離課税が適応される予定ですので、今はガチホでレンディングサービスに預けています。

4.65歳からは資産を増やすだけでは不十分

私は現在65歳です。

これまで資産を増やすことに関心を持ってきましたが、最近は考え方が少し変わってきました。

それは、資産をいくら増やすかだけでなく、いつ、何のために使うかが重要だということです。

私自身、67歳を一つの退職の節目として考えています。

退職後も医師として一定の仕事は続けたいと思っていますが、現役時代と同じように働くつもりはありません。

海外旅行を楽しみ、ゴルフをして、家族との時間を大切にしたい。

そのためには、退職後の生活費、年金収入、給与以外の収入を整理する必要があります。

例えば、退職後の生活費が年間600万円、年金などの安定収入が年間300万円であれば、不足額は年間300万円です。

この不足分を家賃収入、配当金、預貯金や金融資産の取り崩しなどで補うことになります。

退職後は、資産総額だけでなく、毎年どれだけ現金が必要になるのかを把握することが大切です。

また、勤務医は非常勤医師としてのパフォーマンスにも多くのメリットがあります。

完全リタイヤは望んでおりませんので、ワークライフバランスを加味しながら、退職後も非常勤医師として働くつもりです。

5.勤務医が資産形成で避けたい3つの失敗

私自身の経験から、勤務医が特に注意すべきことが3つあると思います。

第1に、投資を始めるのが遅くなること。

日々の診療が忙しく、資産管理を後回しにしてしまう医師もいるでしょう。

しかし、投資を始める時期が遅くなるほど、長期運用に使える時間は短くなります。

第2に、高収入を過信してリスクを取りすぎること。

個別株や仮想通貨などには大きな利益の可能性がありますが、同時に大きな損失の可能性もあります。

私も値動きの大きな資産に投資していますが、投資額と損失許容度を意識することが重要だと考えています。

第3に、資産を増やすこと自体が目的になること。

これは、私自身も気をつけたい点です。

資産が増えれば、もっと増やしたいと思うものです。

しかし、人生の時間は有限です。

健康なうちに旅行を楽しみ、家族や友人と過ごし、趣味に時間を使う。

資産は、そのための手段であって目的ではないはずです。

6.私が目指すのは「経済的自由のある医師人生」

私は、医師という仕事には大きなやりがいがあると感じています。

特に地域医療の現場では、患者さんや地域住民の生活を支えることに、医師としての存在意義を感じます。

一方で、人生のすべてを仕事に費やす必要はないとも考えています。

経済的な余裕があれば、働く場所や勤務日数を自分で選びやすくなります。

収入のためだけに働くのではなく、自分が必要とされる場所で、自分の希望する形で医療に携わる。

これこそ、私が考える勤務医の経済的自由です。

まとめ|勤務医こそ早くから資産形成を始めよう

勤務医は、高収入という資産形成上の大きな強みを持っています。

しかし、高収入だけでは豊かな老後は保証されません。

大切なのは、現役時代から給与以外の資産を育て、将来の収入減少に備えることです。

株式、NISA、債券、不動産、金、仮想通貨など、それぞれの特徴やリスクを理解し、自分に合った方法で資産形成を進めることが重要です。

そして65歳になった今、私が最も大切だと感じていることがあります。

「お金を増やす人生」から「お金を使って人生を豊かにする人生」へ。

67歳からの第二の人生を充実させるために、これからも資産形成と資産活用の両方を考えていきたいと思います。

同じ勤務医の皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。


※本記事は筆者個人の経験と考え方を紹介するものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資には元本割れや為替変動などのリスクがあります。制度や税制は2026年10月時点の情報をもとにしており、実際の投資判断はご自身の状況に応じて行ってください。

  • この記事を書いた人

The 勤務医

勤務医×ブロガー。勤務医(外科医、産業医、弁護士法人顧問医)、仮想通貨、アメックス・マイル、副業を中心に発信します。

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