勤務医は小規模企業共済に入ることで節税と退職金づくりが効率よくできると聞きました。本当ですか?小規模企業共済の仕組みとやり方、出口戦略など教えてください!
✔ 本記事の内容
- 小規模企業共済とは
- 勤務医の小規模企業共済加入のノウハウ
- 小規模企業共済の出口戦略
- 小規模企業共済に加入するメリット
- 小規模企業共済に加入するデメリット
- 小規模企業共済加入の手続き
✔ 本記事の信頼性
勤務医ブログ管理人 The 勤務医:ブログ、医療(経営、体制、訴訟)コンサルタント、で事業収入を得て青色申告し、小規模企業共済に加入し、毎月7万円の掛け金で、節税+退職金づくりを行っている。
勤務医は、日本政府の累進課税制度に頭を抱えてらっしゃる方も多いか思います。
勤務医は、転勤も多いため、まとまった退職金が出でない、出そうにないと考えてらっしゃる方も多いかと思います。
そんな勤務医の方に、超おすすめな対応策があります。それが、小規模企業共済です。
目次
小規模企業共済とは
小規模企業共済は、スモールビジネスの経営者や個人事業主を対象とした、日本政府お墨付きの節税+退職金制度です。
小規模企業共済は独立行政法人「中小機構」が運営し、主な特徴は、
- 毎月(1,000円~70,000円)を掛け金として積立し、積立金は全額所得控除となる
- 積立金は中小機構が運営する
- 65歳以降や廃業時に受け取り可能で、共済金の受け取りは退職所得控除の対象となる
満額積立(月7万円)をすれば年間84万円が所得控除可能となり、
所得税率33%+復興特別所得税2.1%+住民税率10%であれば、年間378,840円、20年間で7,576,800円の節税。
所得税率40%+復興特別所得税2.1%+住民税率10%であれば、年間437,640円、20年間で8,752,800円の節税。
年間84万円を所得控除(節税)しながら、20年で2,000万円以上(年率1%複利)の退職金(退職金控除対象)を作ることができます。
これをやらない選択肢はないな!
勤務医の小規模企業共済加入のノウハウ
医師が加入する場合、開業医、フリーランス医、非常勤勤務医は、問題なく加入ができます。
一方、常勤勤務医も、常勤を一時外れたときなどに、所轄税務署に開業届を出して、受理されれば小規模企業共済に通常加入できます。
さらに、副業推奨トレンド下の日本にあっては、青色申告の開業届提出は常勤勤務医であってもイージーです。
開業業種は、不動産賃貸は不動産所得になりますし、これだけでは小規模企業共済に加入できませんので、「情報通信業」や「小売業」、「医療コンサルタント」あたりが良いかと。
税務署への開業届は「青色申告、開業届」などでググって、ご自身でできます。
面倒な方は、開業届を出す簡便なサービスとしてfreeeなどがあります。
小規模企業共済の出口戦略
小規模企業共済の出口戦略にはいくつかのパターンがあります。
- 共済金A:個人事業廃業、契約者死亡
- 共済金B:老齢給付(65歳以上かつ180ヶ月以上掛け金を払っている場合)
- 準共済金:個人事業から法人成りして加入資格がなくなった場合
- 解約手当金:任意解約の場合
パターンに応じて払戻額が違ってきます。
元本保証の支払い期間 | 予定利率1%基準を満たす支払い期間 | |
共済金A/B | 6か月以上 | 36ヶ月以上 |
準共済金 | 12か月以上 | 223ヶ月以上 |
解約手当金 | 20年以上 |
ざっくり出口戦略を整理すると、
- 任意解約は避けること
- 共済金B(15年以上継続し、65才以上)で給付を受ける(一括は退職所得扱い)
- 廃業届を出し、共済金Aを受け取る(一括は退職所得扱い)
小規模企業共済に加入するメリット
メリットは、
- 所得税率が高い勤務医にあって、年間掛け金最大84万円が全額控除となる
- 条件を満たせば、予定利率1%で返礼
- 受け取り時は、一括では退職所得控除、分割では公的年金等控除がうけられる
- iDeCoと比べて運用が不要
満額積み立て(年間84万円)で所得税率33%+復興特別所得税2.1%+住民税率10%であれば、年間378,840円、20年間で7,576,800円の節税となり、20年間で2,000万円以上(予定利率1%)の退職金を作ることができる。
小規模企業共済に加入するデメリット
デメリットは、
- 資金ロック
- キャッシュフローの悪化
- 元本割れのリスク
制度を理解した上で、掛け金の設定や解約法を選択すると上記はほぼほぼ避けられます。
小規模企業共済加入の手続き
小規模企業共済加入の手続きは、
- 中小機構から資料を取り寄せる
- 書類を関連金融機関に提出する
- 中小機構から加入証明書が届く
中小機構から資料を取り寄せる
小規模企業共済の資料請求はこちら
Web経由で簡単にできます。1週間ほどで届きます。
書類を関連金融機関に提出する
資料が届いたら、
1.契約申込書
2.預金口座振替申出書
The 勤務医は、地方銀行に提出しました。書類の記載はひな形が付いており、銀行印をもって、窓口で簡単でした。
対応金融機関はこちら
40日くらいすると、中小機構から「小規模企業共済契約締結証書」が届き、入会申込月までさかのぼり、定期的に口座引き落としとなります。
The 勤務医は、毎月7万円の引き去りにしました。
これは、一度入会すると、その後いかなるタイプの医療機関の常勤医となっても、継続可能であることを確認しました。
まとめ
「勤務医は小規模企業共済に加入して、月7万円を節税と退職金にしよう!」でした。
手順は
- 開業届を所轄税務署に出す
- 中小機構から資料を取り寄せる
- 対応金融機関に書類を提出
- 金融機関からの定期引き落とし(7万円)で、毎年84万円の所得税控除を得ながら、退職金をつくる
でした。