医学生、研修医、若手医師の方向け。
研修医になったばかりです。将来、何科に行こうかとか、専門医、留学、医学博士どうするか?とか悩んでいます。また、医者の道1本でいいの?とかも考えています。
こんなお悩みを解決します。
✔ 本記事の内容
- 診療科選びについて
- 専門医、留学、医学博士はどう?
- スモールビジネスの推奨
✔ 本記事の信頼性
勤務医ブログ管理人 The 勤務医:医学博士、米国に1年間留学あり。日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、FACS。スモールビジネスを複数運営し、ハイブリッド勤務医(勤務医だけの収入に頼らず、足元を見直し(節約・節税)、金融リテラシーを醸成・実践していく医師のこと)を目指している。
ここでは、医学生、研修医、若手医師の方に、医師としての卒後10年のキャリアプランを、7つの項目から提案、解説します。
目次
診療科選び
「診療科、どこにいこうかな~」と医学生、研修医の時には、迷うものです。当たり前ですよね、医師人生にコミットするわけですから。
これに対して、いきなり結論です。
本能の赴くままに診療科を選ぶ、、、これがベストチョイスです。
なぜなら、後悔しないからです。
本能は、何でも良いです。純粋に好きで興味あるから、儲かりそうだから、QOLが良さそうだから。
私も外科-消化器外科の道を本能で選びました。もう少し、深堀すると、内科 or 外科⇒外科(飽きっぽい性格の自分に合っている、単純な性格の自分に合っている、ブラックジャックみたいで格好いいと勝手に思い込みました。)メジャー外科 or マイナー外科⇒メジャー外科(なんとなくなんでも診れるから、医学の知識が広がるからと勝手に思い込みました。)消化器外科 or 心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科など⇒消化器外科(いろいろな臓器があるから飽きることはないだろう、そんなに忙しくはないだろうと勝手に思い込みました。)
それで、後悔はしていません。
診療科を選ぶ基準として、
- 将来、流行ると予想される診療科(例えば、糖尿病、精神科、腎臓病など)が第1だ!
- 彼氏、彼女が、○○科なので、自分は△△科!
- メンターとなる先輩がいるから、教授がいるから○○科!
とか、あるかもしれませんが、結論は、本能の赴くままにがおすすめです。
卒後10年はコアバリューを高めることに専念
医学部を卒業して10年間は、医師としてのコアバリュ―を高める大事な時期です。
どの診療科を選んでも、その診療科で通用する職業人医師としてのプロフェッショナリズムを醸成するのに、10年間は必要です。
ここで、コアバリュ―を高めることに専念しないと、モラトリアムとなる可能性あります。医師資格は持っているものの、“自分の医師としてのアイデンティティは?”となります。
いわば受験の勝者で、医師資格を持った以上、これは、もったいないです。
卒後10年は、選んだ道のコアバリューを高めることに専念しましょう。そうすることで、開業するにしろ、勤務医に徹するにしろ、教授になるにしろ、自分の立ち位置をしっかり認識できます。
留学は、あり
留学、特に海外留学は、『あり』です。
The 勤務医は、1年間米国に家族で臨床留学しました。お金はありませんでしたが、長い医師人生の中でも最も充実した楽しい時でしたし、その後の医師人生に大きなインパクトがありました。
海外留学のメリットとして、
- 井の中の蛙にならず、グローバルスタンダードのコンセプトが学べる
- その道のトップランナーが、どうやってその道のトップになったのか体感できる
- 留学後の医師人生の強力なバックボーンとなる
- 英語が本気で学べる
- 家族も一緒に行けば、異文化に触れる良い機会となる
- 気兼ねなく外国人医師と話せるようになる
- 国際学会も迷いなく発表、参加できる
海外留学のデメリットとして、
- お金がかかる(ただし、借金取り追われるまではならない)
海外留学は、チャンスがあれば、やった方が良いです。チャンスを自分で作り出すことも可能です。“ここ”、と思うところがあったら、推薦状を自分で作り、教授なり、その分野でネームバリューのある日本のDr.に書いてもらったようにして、アプライすればよいです。メールで、“私は、何でもします。手弁当で行きます`'。と文言に入れれば、断る理由はほぼほぼ無いです。
私は、臨床留学で米国に1年間留学しました。手術に参加し、カンファレンスに参加し、論文を2個書き、メジャーな国際学会で2回発表し、観光はディズニーワールドに家族で年間パスポートを使って、行きまくり、他の観光地も行きまくりました。米国は、貧民にも優しい国で、子供は給食はただ、肉は安いし、ドミニオンピザを1枚頼むと1枚おまけがついてきますし、ビールは、1本60円だし、非常にhappyでした。非日常の経験値の積み重ねは、間違いなく、今後の人生の`'糧`'となります。
専門医は一応とるべし
いきなり結論です。
メジャー診療科であれば、サブスぺ(例えば、消化器外科医であれば、日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医)まで、マイナー診療科であっても、専門医(例えば、整形外科医であれば、日本整形外科学会、整形外科専門医)は、`とるべし`'です。
なぜなら、厚労省が、『医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名について』で、広報を認めるとしています。
また、ここまで取れば、`'自分は何者?`'という疑問にも明確に答えられ、医師としてのコアバリュ―を築いた証とも言えます。
普通に、卒後10年で取れます。
医学博士取得は、あり
医学博士は、日本では最も取りやすい博士号です。「取らないと気持ち悪いが、取っても食えない」=「足の裏の米粒」と言われたりもします。
いきなり結論です。
医学博士取得は、`'あり`'です。
理由は以下の10個です。
- 英語論文を読まなければならない=英語に強くなる
- 英語論文を書かなければならない=英語に強くなる
- 実験・臨床研究をすることで、統計を理解し、論理的思考が醸成される
- 医療の守備範囲が、深く、広くなる
- キーポストにつける、教授になる可能性が出てくる
- 国際学会で発表できるチャンスが飛躍的に広がる
- 名刺に、医学博士、PhDと書ける
- 診療科のコアバリュ―に加え、ネームブランドに重みをもたすことができる
- オンリーワンを極められる可能性がある
- 開業したら、HPに医学博士と載せたり、勤務医でも給料が少し上がったりする
浪費家にはなるな!
The 勤務医は後悔していることがあります。
それは、ズバリ、浪費(無駄銭をつかうこと)をしてきたことです。
理由はいろいろありますが、2つに集約されます。それは、
- 見栄
- 医師という高時給単価に対する変な安心感
見栄は、いろんなシチュエーションに出没します。ママさん友達経由でも、あの子がバレーを習っているから、うちの子も、○○先生が、ベンツSシリーズを買ったそうよというから、うちもベンツだなとか、△△先生は、庭付き1戸建て買ったそうよというから、うちは商業地でマンション最上階だなとか、××先生は、生命保険に1億だそうよというから、保険会社の言うなりに生保1億とか、、、
見栄は、まず捨てなければなりません。『百害あって1利なし』です。
見栄を張るなら、ハイブリッド勤務医になってからで充分です。いや、ハイブリッド勤務医になっても、見栄は必要ないとも言えます。
卒後10年は、まず基礎固めとして、節約・節税に注力しましょう。参考記事:ハイブリッド勤務医への道:前編【節約・節税】
「医師という高時給単価に対する変な安心感」 も捨てましょう。「1日バイトして、10万円!」とか喜んでいる場合じゃありません。30%から40%は税金でしっかり持て行かれます。
銀行は、ニコニコしながらお金を貸してくれます。住宅ローンは35年フルフラットでとか。医師会もそうです。お得にマイカーローンとか、子弟の教育資金にお得ローンとか、一度借りれば、当然利子付きで定額返済が始まります。これが、ハイブリッド勤務医への道を大きく阻害することになります。
見栄を張るのはやめましょう。
住宅は、タワマンとが100%ダメです。家族構成で、必要充分な住居スペースは変わってきます。車は、必要であれば、足回りがよく、冷暖房とナビがあればOKです。子弟の習い事も、フルスペックは負担しか生みません。普段着は、ユニクロがコスパ良いです。高級レストランでのディナーは特別記念日だけにしてください。保険も公的保険がかなり充実していますし、「貴方に万が一があったら、私たち家族はどうなるの?」に100%反応して、バカみたいに高い死亡保険に入るのはバカです。
医師という高時給単価に対する変な安心感 は捨てましょう。
銀行や医師会は、ニコニコしながらお金を貸してくれます。
“幸せな家族に低金利の住宅ローン!”、“医師には優遇金利が効きます、マイカーローン!”、“子息の教育資金にゆとりを、1000万円まで可能!”とか、キャッチフレーズはいろいろありますが、借金をすると、利子付きで、税引き後給与から定額課金が始まります。
見栄や、医師は高額所得者という勘違いで、一時的に得られたものの中での暮らしは、負担になってもhappyではありません。
スモールビジネス(副業)
卒後10年ともなると、医師としてのコアバリュ―は形成されて、給与収入1本の限界・リスクを実感してきます。
給与はそこそこあるのに、「お金が貯まらないよね」、「税金が重いよね」とか。
このころになると、スモールビジネス(副業)に意識を向けていくことが重要です。
医師の収入は今後必ず減少する!【5つの理由と3つの対応策】でも解説したように、今後医師1本の収入フローに依存するのは危険です。コロナ禍の後遺症で、税金、特に高収入サラリーマンから自動的に搾取される税金は、上がるという選択肢しかありません。
この流れに対する対応策は、スモールビジネス(副業)です。スモールビジネスは、給与ではなく報酬ベースで考える(つまり事業所得や法人化)必要があります。スモールビジネスのタネ銭を貯めるのは、スポットバイトが最適です。タネ銭を貯め、スモールビジネスをトライする。
スモールビジネスでは、収入のinflowをトライアンドエラーで構築していき、その中で伸びしろのあるストック型ビジネスを複数持つことです。税務署に開業届を出すことで簡単に受諾されますので、まずは個人事業主になることです。
私は、スモールビジネスとして、
- 不動産投資(1棟テナントビル表面利回り23%で回転中。)
- ブログ運営(本サイトは2021年7月から開始。マイルの特化型ブログで〇〇〇万マイルたまりました。)
- 国保連合会の審査委員
- 弁護士法人の顧問医
- 講演(時々)
- 金融投資(米国株、金銀原油CFD、仮想通貨)
などやっています。
スモールビジネスは、他にもいろいろありますが、まずはやってみることです。小さなことは、『行動しながら考える』でも問題ありません。
ただし、不動産は別です。
不動産は良くない物件をつかまされないために、目利き力をつけることと、お金の借り方を学ぶことが大事です。医師という信用を担保にレバレッジを利かすことができます。団信も考慮すると、生命保険代わりになります。マンションや戸建て(家賃がall or nothing)より、1棟モノが良いです。築古戸建ては、減価償却費から節税のメリット大ですが、1棟モノの次とか、不動産投資に慣れてからが良いです。
目利きをつけるためには、まず物件のresearchです。地元の不動産会社に突撃して、希望物件の概略を伝え、見て回ってもよいですし、
希望物件の概略から、資料請求したり、直接専門家から話を聞いてもよいです。ただし、決めるのはあなた自身です。
☆資料請求⇒『株式会社グリーン・ワークホース』
☆希望物件とエリアに応じた不動産会社を紹介⇒『株式会社ヘイフィールド』
☆FP1級や不動産鑑定士資格を保有した専任カウンセラーと面談、不動産投資の基礎から学べる⇒『株式会社ノークリー』
ブログについては参考記事『医師の副業としてブログがおすすめ!【5つの理由とはじめ方5ステップ】』を。
卒後年数と体力、給与収入、事業収入の理想的なライフスパンをグラフにしてみました。
まとめ
医学生、研修医へ捧げる7つのキャリアプラン【卒後10年まで】のタイトルで、
について解説しました。
卒後10年は医師としてのコアバリュ―を身につけ、同時に、スモールビジネスへの関心を持つことをおすすめします。
今回は以上です。