医者・外科医

『医者稼業だけでは経済的自立は無理』という話【おすすめ対応策あり】

DOCTOR

悩む研修医若いサラリーマン:「(医者稼業だけでは経済的自立は無理ゲー)で聞いたんですけど、本当ですか?本当ならその理由とThe 勤務医さんの経験値に基づいた対応策を聞かせてください!」

こんなお悩みを解決します。

本日の内容

  • 医者稼業だけでは経済的自立は無理な理由
  • 医者で経済的自立を果たす対応策(私見)

本記事の信頼性

The 勤務医:外科医として永らく一生懸命働いてきた。ただ、今も不労所得のみでの生活は不可。これまでの医者歴を振り返って、経済的自立を果たせなかった理由を洗い出し、対応策を考えてみた。研修医や若手医師の皆さんに参考になればと思っている。サラリーマンの新人さんにも参考になるかと。

経済的自立の定義は一定のものはありません。

ここでは、『働かなくても貧困感なく生活でき、趣味も可能』×『資産1億円(負債なし)』と定義してみます。

働かなくても貧困感なく生活でき、趣味も可能』は、お金に対する欲求はそもそも無限大であり、上を見たらきりがなく、日本人の平均的な生活をイメージしての定義です。数値化しての定義ではなく、日常生活に必要充分の状態を表しています。

資産1億円(負債なし)』は、流動資産(現金、株、仮想通貨、投資信託など)であれば、配当金5%であれば500万/年、固定資産(不動産など)であれば、家賃収入表面利回り8%程で回せば、手数料など引いても500万/年ほどとなり、不労所得として必要充分と判断しました。

この『働かなくても貧困感なく生活でき、趣味も可能』×『資産1億円(負債なし)』の状態を、医者稼業だけでは無理な理由と対応策を自身の経験をもとに解説します。

※この記事では、自身の経験をもとにした経済的自立にフォーカスしています。価値観は人ぞれぞれなので、ひとりの医師の私見としてお付き合いください。

医者稼業だけでは経済的自立が無理ゲーな5つの理由

いきなり結論です。

  • 理由①:金持ちになったという勘違い
  • 理由②:見栄、ママ友、教育費がじゃまをする
  • 理由③:医者の報酬は診療報酬点数で決まる
  • 理由④:累進課税のターゲット
  • 理由⑤:円安となり人口が減る

ひとつずつ掘り下げてみます。

理由①:金持ちになったという勘違い

医学生から初期臨床研修医になるとざっくり400万から700万程の年収になります。そして、2年間の初期臨床研修医が終わると医師免許という証書をもとに、1000万の給与収入も可能になってきます。例:民間病院の後期研修医の年収:800万円、バイト:200万(土日月2回で20万×12か月とか)。

さらに、卒後10年とかなると、年収1500万は普通に可能となります。場所や働き方(週1研修日でバイト+寝当直+土日月2回バイトとか)を選べば、年収2,000万円も可能でしょう。

ここで、勘違いがでてきます。「金持ちになったという勘違い」です。

「金持ちになったという勘違い」は、時に以下のような副作用を生みます。

  • 副作用①:家を35年フルフラットローンで買う
  • 副作用②:高価な車を医師信用組合からお金を借りて買う
  • 副作用③:高価な装飾品をカードのリボ払いで買う

こういった利息付きの返済は経済的自立の大きな障壁としかなりません。

副作用①:家を35年フルフラットローンで買う

The 勤務医の反省点:医者となって2年目で地方都市のマンションを購入。30年のフルローンを組み20年ほどで繰り上げ返済した。返済期間は経済的自立の概念なく、貯蓄ゼロ。子供3人で狭い思いを経験したことから、家族構成で、適宜家は賃貸するのもよしと考えた。ただ、今となっては夫婦二人なので、居住空間ととベランダからの見晴らしはOK。マンション購入自体はプラスマイナスで後悔なし。

医者のマイホーム購入に銀行は喜んでお金を貸してくれます。なぜなら、属性がバンカーにとってピカ一とされているから。

ただ、日本の不動産は将来上昇するのは絶望的なので、土地付き家orタワマン=7,000万とかで、いきなり35年フルフラットローンを組んでしまうと、経済的自立はほぼ100%無理です。

理想的には、「法人で借り、役員として住む」。これが、コスパ最高です。

副作用②:高価な車を医師信用組合からお金を借りて買う

The 勤務医の反省点:不覚にも外車にあこがれ、マイカーローンが充実している医師信用組合からお金を借りて、中古アウディと新古ベンツを買ってしまった。年間維持費は200万円を超え、今でも利子付き借入金を返金中。売ろうにも、値下がりが激しく、一時の衝動に後悔している。維持費+借入金返済=(だいたい400万程)は税引き後給与から持っていかれている。

高価な車(例:>1,000万円以上)は、給与収入で買うものではありません

車は、足回りが堅固で、冷暖房が効き、ナビがあり、燃費がよければこれで良しです。なぜなら、車は3日乗れば飽きるから。上には上があるから。

将来EVにコンバートされていくのが確実なので、ハイオク消費の外車はタブーとさえ言えます。

高価な車は、法人で買うのが、正攻法です。法人所有となれば、維持費、ガソリン代、減価償却すべて経費算入可能です。医者稼業オンリーの給与所得だけの時は、「日本車の中古、装備OK、燃費よし」、これが良いです。また、2台持ちはよくないです。

副作用③:高価な装飾品をカードのリボ払いで買う

The 勤務医の反省点:携行・旅行バック、財布、ベルト、マフラー、ネクタイ、靴をLouis Vuittonで固めてしまった。うっかりしたことにカードのリボ払いになっていた。利息がとんでもないことになってたことを後から知り、返済を可能な限り一括払いに変えた。ベルトと靴はお蔵入りになっている。

Louis Vuittonは価値観の問題で、何とも言えないところはありますが、リボ払いは愚の骨頂です。

Louis Vuittonは、パリのシャンジェリゼ通りの本店に立ち入り、魅了されたという背景があります。

クオリティが高いのは確かですが、余剰資金で買った方が良かったとも思っています。

経済的自立を目指す中での、装飾品への散財はおすすめしません。今では、装飾必要品にブランドネームは排除して、機能性とコスパを重視しています。不要なものは買わない。下着、普段着はユニクロがコスパ良し。

カード会社は、一生懸命リボ払いをおすすめしてきます。決して乗らないように!

理由②:見栄、ママ友、教育費がじゃまをする

やがて、結婚して子供が生まれます。私もそうでした。

人には厄介な習性があります。それはズバリ、『見栄』です。実際、懐が潤ってもないのに、虚栄心と医者だからという意味不明の呪縛がかけられてしまいます。見栄は、時に絢爛豪華な衣装にすり替わったり、煌びやかな宝石に置き換わったりします。

『見栄』は経済的自立の障壁の一つになります。

結婚して子供ができると、ママさんは公園デビューとなりますし、幼稚園の父母会、お稽古ごとのママ友が増えます。ここで、類は友を呼ぶ現象が必然となります。

ママ友ランチ会の話題の中心は、「開業医○○先生んちのA子ちゃんは、バレーとピアノがとってもお上手でかわいいわ!」、「大学病院の△△先生んちのB彦君は、子供英才教室に通ってIQ150みたいよ!」とか。

その内容は、家庭で自然に話題の中止にすり替わり、我が子にもフィードバックされ、定額課金となっていきます。仮に、バレー×2,ピアノ×3、幼児英才教室×3,水泳×2,とかなると月謝+必要物品(ピアノ、衣装、その他必要経費)+送り迎え義務だけでもかなりのものになります。

『ママ友デリバティブ』は時に経済的自立の障壁になります。

教育費は異次元レベルの費用です。給与収入から所得税、住民税、社会保険料、生命保険料、生活費がたんまり引かれた後の残金に重くのしかかってきます。

(小、中、高、オール私立+塾+家庭教師)×子供の人数となれば、余剰資金ゼロに加えて、教育費ローンとやらに手を出す始末です。

大学は、(遠方+私立+(医学部))×子供の人数ともなれば、破産の道も現実味を帯びてきます。

ただし、『教育は子孫への最大の投資』という格言もありますので、上記を真っ向から否定するつもりはありません。それが、親にとって何よりの生きがいで、子供が受容するのであれば、それもよしと考えます。

ただ、一つ言えるのは、教育費の無尽蔵出費は、経済的自立の障壁と必ずなります。

The 勤務医の経験値:曖昧な表現ですが、子供は心身ともに満足に育ち、人に迷惑をかけず、自立した大人になってよかったと思っている。

理由③:医者の報酬は診療報酬点数で決まる

医者の報酬は2年に1度改定される診療報酬点数で決まります。

例えば、胃がんの手術を、華麗に巧みにこなしても、○○点(1点=10円)と決まっているので、インセンティブは付かないわけです。

公的病院で、どれだげ質のある手術を数多くこなしても、9時ー5時で手術をしなくて帰宅しても、給与はほぼ変わりません。

保険診療の中の勤務医の活動は、その大小にかかわらず、給与に反映しないのです。

大学教授も、どれだけ手術をやろうが論文を書こうが、文部科学省の教官としての給与規則に基づいています。教授は大学からの給与は1,000万円がやっとです。

だから、「外勤」と称するバイト活動が必須となります。

開業医も、基本同じなので、複合施設(グループホームとか老健施設とか)の充実や救急・訪問診療(厚労省のベット数減少政策に基づき診療報酬点数が今のところ高い)に注力せざるをえません。

国民皆保険制度を担保している診療報酬点数に基づいた日本の医療は世界に誇れる素晴らしい制度です。ただ、医師の給与が値崩れすると、医師希望者も減り、この制度が揺らぐのは必然と考えます。

理由④:累進課税のターゲット

勤務医の場合、常勤、バイトいずれも、雇用契約による給与です。したがって、累進課税がしっかり適用されます。

一人前の医師となれば、給与所得は900万以上、中には1,800万円以上となるので、上図のような所得税に加え住民税がしっかり課税されます。

平成24年、麻酔科医がフリーランスとして携わった業務に対する報酬が、給与所得か事業所得かという裁判がありましたが、最終的に給与所得となり、医師としての個人のパーフォーマンスはすべて給与所得です。

ただし、産業医は法人設立可能といわれてます。

理由⑤:円安となり人口が減る

日銀は引き締めをせず、お金を発行しまくっています。日本企業に勢いなく、「有事の円買い」は過去の文言となりました。円安は必然です。

日本の人口は、移民の受け入れをしない限り、確実に減ります。

円安によって、物価は上がり、人口減⇒税を中心とした歳入減少⇒社会保障費の削減⇒医者の給与減少のシナリオは必然かと。

物価が上がって、給与が下がる。これでは、経済的自立どころではないです。

医者で経済的自立を果たすおすすめ対応策

以下の5つです。

  • 対応策①:無駄金は使はない(資産の防御)
  • 対応策②:税の理解
  • 対応策③:副業
  • 対応策④:法人設立
  • 対応策⑤:投資

ひとつずつ掘り下げてみます。

対応策①:無駄金は使わない(資産の防御)

まずは、資産の防御=無駄金は使わない。これありきです。ざるのようにお金を漏らしたら、経済的自立はあり得ません。

無駄金に相当するもの:

法外な持ち家、ハイオク消費燃費悪い外車、機能性のない華美な装飾品、リボ払い、見過ごされた定額課金、意味を持たない習い事、親のエゴ100%の教育費、見栄を張るための出費、など

上記以外もあるかもです。『資産の防御=無駄金は使わない』が、経済的自立の基本の『キ』です。

対応策②:税の理解

経済的自立に税制の理解は不可避です。

税制の理解が進めば、節税が自然と身に尽きます。

節税は、ホワイト節税(日本政府が提供し、給与所得者の誰もが享受できる節税手法)が基本です。

勤務医ができる節税はこちら

詳しくはこちら

対応策③:副業

医師の副業5選は以下の通り

他にもあると思います。自身の経験を踏まえた副業の詳細はこちら

詳しくはこちら

対応策④:法人設立

対応策①-③は、医師としての給与所得と、伸びても個人事業所得までの内容でした。これでは、節税に限界があります。

法人設立は、節税の幅を弾力的に伸ばすことが可能となります。

ただし、公的病院勤務医の場合は、一般的に不可となりますので、民間病院や開業医で検討するとよいかと。

法人に含める定款には、例えば

  • 不動産所有、サブリース
  • 産業医
  • 医療訴訟意見書作成
  • ブログ
  • 講演
  • 医療ライティング

etc.

これらの売り上げから、給与所得であれば税引き後収入からの出費で、額が大きい『車関連、生命保険、スマホ通信費、賃貸居住費、交際費、出張旅費規程』などの費用を経費参入可能となりますし、小規模企業共済(年間84万円まで)、経営セーフティ共済などにも経費として出資可能となります。

法人設立費用(合同会社ならば最小6万円から)、年間7万円の法人住民税均等割、税理士顧問料が最小10万円ほどはかかりますが、事業所得売り上げが600万円以上となれば、圧倒的に法人設立が有利です。

医師の場合、給与所得(バイトでも可)でしっかり生活費は担保できるので、医師の収入が下がるだろう近未来を見据えると、法人設立は、今後ますます必要性が増すのでは。

対応策⑤:投資

最後は投資です。

円安が進む中、日本円100%での銀行預金はおすすめできません。

私は、既成の固定資産(テナントビルや持ち家)と流動資産(保険、退職金、年金など)以外は、かなりの割合で米国株(インデックス含む)と仮想通貨にコミットしています。

もちろん、これを一様におすすめするつもりはありません。

米国株投資の根拠は、経済を牽引するのは米国であり、国際基軸通貨は米ドルと考えているから。

楽天証券でのつみたてNISA(S&P500)+全米株式インデックスで月5万円(楽天カードで引き落とし、楽天ポイントを再投資)、TDOC、NVDA、PLTR、AIをコツコツ

仮想通貨投資の根拠は、国や大企業、ファンド、機関投資家がどんどん入っている、世界経済ITがWeb2.0からWeb3.0へ、金融システムが中央集権型から分散型へ移行している、メタバース、DeFi、NFTのポテンシャルなど。

仮想通貨は、触って学ぶことが重要で、ブログに落とし込むこともありかと。

詳しくはこちら

まとめ

円安と人口減少、経済縮小が必然の日本将来を見据えたとき、『医者稼業だけでは経済的自立は無理、おすすめの対応策』で解説しました。

資産の防衛(無駄金は使はない)を第1とし、本業+副業で生活の基本を作り、可能であれば法人化で弾力的に節税し、投資(ここでは米国株と仮想通貨)でコツコツ。これが医師、サラリーマンにとって、経済的自立=『働かなくても貧困感なく生活でき、趣味も可能』×『資産1億円(負債なし)の一つの選択肢かと考えています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

The 勤務医

勤務医×ブロガー。勤務医(外科医、産業医、弁護士法人顧問医)、仮想通貨、アメックス・マイル、副業を中心に発信します。

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